ゲーミングPC

RTX 2070搭載ゲーミングPCの性能解説!3060との性能差や中古相場も解説

本記事では、GeForce RTX 2070の特徴・性能、3060との性能差について解説します。

RTX 2070は、全7種類あるRTX 20シリーズのなかでも初期にリリースされたグラボです。RTX 20シリーズはTensorコアの採用により、GTXシリーズに比べて高解像度のグラフィック性能を発揮できます。

現行タイプとなっているRTX 3060と並ぶほどのスペックを持ち合わせているため、フルHDやWQHD環境でも平均的な設定なら十分に遊ぶことが可能です。

また、後継機にはブースト版のRTX 2070 SUPERがあります。

本記事では、
RTX 2070の性能と特徴
RTX 2070とRTX 3060の性能比較
有名タイトルにおけるRTX 2070の性能
RTX 2070の中古相場と購入方法

をご紹介します。

なお、以下の記事でゲーミングPCのおすすめについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

本記事は「コンテンツ制作ポリシー」に則って制作されています。
また、本記事にはプロモーションが含まれます。

GeForce RTX 2070とはどんなグラボ?特徴を解説

RTX 2070は、2018年10月にリリースされたミドルクラスのグラボです。

RTX 20シリーズで3番目の性能であるグラボで、同シリーズのなかでも下から数えた方が早い位置といえます。しかし、レイトレーシングやDLSSという技術が搭載された現代グラボの先駆けといえるモデルであり、その性能は現在でも高く評価されています。

RTX 20シリーズのなかでも最近は目にする機会が減ったモデルですが、GeForceの歴史でも高いコスパを発揮した人気のモデルです。

アーキテクチャ Turing (TU106)
CUDAコア 2304
ベースクロック 1410MHz
ブーストクロック 1710MHz
メモリインターフェイス幅 256ビット
TDP 185W
標準メモリ構成 8GB GDDR6
レイトレーシングコア 第一世代
Tensorコア 第二世代

GeForce RTX 20シリーズとは?

RTX 2070はRTX 20シリーズというGPU群に位置しています。RTX 2080、RTX 2070、RTX 2060という基本製品があり、後継機としてSUPERシリーズが追加発売されました。

2019年には、RTX 2070の後継機としてRTX 2070 SUPERが発売されたため、2020年初旬にはRTX 2070が搭載されたBTOパソコンも影をひそめます。

RTX 20シリーズには、Turning GPU アーキテクチャが搭載されており、リアルタイムレイトレーシングを処理する能力が格段と上がるきっかけになりました。RTコアや最新のTensorコアによって、従来のGeForceグラボを凌駕する処理能力を持っています。

GeForce RTX 20シリーズは、現代にも残るアーキテクチャの先駆けとして評価されるシリーズです。

GDDR6メモリの採用で、GTX 1080Tiと並ぶ性能を発揮

RTX 20シリーズでは、過去モデルからVRAMがGDDR6に変更され、コアアーキテクチャがTurningに変更されました。これにより、Pascal世代の最高モデルであるGTX 1080Tiに並ぶ性能を発揮することができます。

GTX 1080Tiよりも3万円安い価格設定でありながら、遜色ない処理能力を発揮したコスパは目を見張るものがあります。

リアルタイムレイトレーシングとは?

レイトレーシングとは、光を計算して3D画像をリアルに表現する技術です。
ゲームで使用される場合は、キャラクターの位置や方向によって常に処理が行われるため「リアルタイムレイトレーシング」と表現します。

TensorコアでDLSSとレイトレーシングに対応

当モデルは、NVIDIAが開発したTensorコアが搭載され始めたモデルということも注目するべきポイントです。

Tensorコアとは、データを行列演算回路で処理するディープラーニングに特化したコアであり、レイトレーシングを処理するためのRTコアを効率的に機能させる役割を担っています。

3D映像や動画などを処理するためのCUDAコアやベースクロックは、GTX 1080Tiよりも劣っていますが、その分新たなコアで性能を担保しながらも消費電力を抑えることに成功しています。

このように、RTX 2070は新たな描画技術として登場し始めたレイトレーシングに強いモデルです。

2019年にはブースト版のSUPERが発売

2019年7月には、性能を強化したブースト版のRTX 2070 SUPERが発売されました。

全ての性能が上位互換のモデルとなっており、RTX 20シリーズの最上位モデルであるRTX 2080にも匹敵する処理能力を持っています。

現在、中古在庫もSUPERが主流となっているため、無印のRTX 2070を手に入れることが難しくなっています。

NVLinkに対応していない点は注意

RTX 2070の注意点として、NVLink(SLI)に対応していない点が挙げられます。

NVLinkとは、グラボを2枚挿しすることで処理を分担して効率化を図るシステムです。主流のシステムではなくなりましたが、中古パーツで自作PCを製作する際には注意が必要です。

RTX 2070とRTX 3060の性能差を比較

本章では、RTX 2070とRTX 3060の性能差を比較します。

RTX 3060は、RTX 20シリーズのRTX 2060を基軸にした新世代のモデルです。第二世代となるアーキテクチャAmpereを搭載していることから、過去シリーズよりも円滑なレイトレーシンググラフィックスに期待できます。

以下に、RTX 2070とRTX 3060の基本性能をまとめました。

GPU RTX 2070 RTX 3060
プロセッサ数 2304 3584
Tensorコア数 288 Gen2 112 Gen3
RTコア数 36 Gen1 28 Gen2
ベースクロック 1410MHz 1320MHz
ブーストクロック 1620MHz 1780MHz
メモリスピード 14Gbps 15Gbps
メモリ 8GB GDDR6 12GB GDDR6
メモリバス帯域幅 448GB/s 360GB/s
TDP 175W 170W
電源コネクタ 8Pin x1 8Pin x1

RTX 3060は、12GBのGDDR6メモリを搭載しており、プロセッサの数値もRTX 2070に比べて高くなっています。しかし、実際に近年のゲームをWQHDでプレイした結果、FPSにほとんど違いはありませんでした

Apex LegendsのFPS調査では、フルHDでRTX 2070が136fpsに対して、RTX 3060が140fps。WQHDでRTX 2070が102fpsに対して、RTX 3060が105fps。解像度を上げたとしても3〜7の差に留まっています。

このように、RTX2070とRTX3060に明確な性能差はほとんど見受けられません。

RTX 2070搭載ゲーミングPCでプレイした際の有名タイトルの性能

実際にRTX 2070を使用したゲーミング性能を紹介します。
CPUはCore i7-9700K、メモリ16GBで性能を確認しています。比較としてフルHDとWQHDでfpsを記載します。

タイトル フルHD WQHD
Apex Legend 160fps 144fps
フォートナイト 204fps 136fps
destiny 2 150fps 110fps
Grand Theft Auto 5 96fps 74fps

Apex Legend

不動の地位を築いているバトロワfps『Apex Legend』。

通常戦闘時では、フルHDで160fps、WQHDで110fps前後を確保しています。ただし、スモークやジブラルタルの爆撃を受けると、30〜40fpsほど下がってしまうため、144fpsモニタの恩恵を受けるためには設定を落とす必要があります。

144fps張り付きでプレイする場合は、設定の数値を変更することで、画質とfpsを両立することができます。

フォートナイト

建築バトロワとしてさまざまなプラットフォームで人気を博した『フォートナイト』。

画質設定を高に設定した場合、フルHDで204fps、WQHDで136fpsを記録。画質設定をエピックにしても、フルHDで157fps、WQHDで106fpsを確保しています。

レイトレーシングによってガラスの反射などの恩恵を受けることができますが、オンにすると半分近くまでfpsが落ち込んでしまうため調整は必要です。

destiny 2

対人戦・COOPに特化した超未来系FPSの『destiny 2』。

ストーリーモードやCOOPモードでは、フルHDで150fps、WQHDで110fpsを記録しました。爆発表現や弾幕の激しい戦闘では30fpsほど低下する結果となっています。

WQHDでは144fpsに届かない性能となってしまいますが、4Kなどの画質でプレイしない限り高解像度でも十分なfpsを保っています。

Grand Theft Auto 5

血に汚れた裏方稼業に手を染めるTPSアクションゲーム『Grand Theft Auto 5』。

車や飛行機など膨大な処理を必要とするゲームとして有名な本作ですが、フルHDで96fps、WQHDで74fpsという結果です。

高fpsとはいえませんが、爆発や空中からの落下時でもfpsを維持しているため、DX11ベースのタイトルでも安定して動作しているといえます。

RTX 2070の中古相場と購入方法

RTX 2070は現在生産されていないため、中古で購入する選択が主流となっています。

現在はグラボの値段相場も落ち着いてきたため、中古でもRTX 20シリーズをよく見かけるようになりました。

ここからは、中古販売価格から、フリマアプリでの購入検討などを踏まえてお得な購入方法をご紹介します。

中古相場は2~3万でRTX 2070 SUPERとほぼ同額

RTX 2070の中古相場は、付属品が完備された状態で2〜3万円台です。

同じモデルを搭載したグラボの種類によって価格は上下しますが、2019年のリリース価格からは半額以下に落ち着いています。上位モデルのRTX 2070 SUPERと相場がほぼ同額となっているため、性能面だけで見るのであればSUPER一択です。

中古PCを組む場合は、自身のマザーボードの構成に合ったパーツかどうかというのが重要ですが、コスパのいいモデルであることは間違いありません。

また、Amazonでも新品もしくは中古が販売されることがあるため、気になる方はチェックしてみてください。

フリマアプリをチェック

フリマアプリにも、グラボはよく出品されています。

フリマアプリの利点としては、業者を通さない価格設定であるため安く購入できることが挙げられます。欠点としては、値段相応の品質であることを出品者に確認する手間が生じるということです。

数万円という高い買い物になるため、商品説明欄や品質をよく確認し、不明点などは出品者に細かく確認することが重要です。

メルカリでRTX 2070を検索すると、グラボ単体以外にもグラボを搭載したパソコンも出品されています。中古ショップで購入するよりも数千~万円は安く購入できるケースもあるため、フリマアプリでの購入も検討してみてください。

オークションサイトをチェック

終了日時までに一番高値を付けた人が落札するオークションサイト。

ヤフオクなどのオークションサイトでは、数は少ないものの品質が担保されたグラボが出回っています。

価格設定が同じでもRTX 2070以上の性能を持ったグラボを購入できる可能性があるものの、今すぐに欲しいという場合には不向きといえます。コツコツと安価にパーツを集めて自作PCを構築する場合におすすめできる購入方法です。

コスパの観点からもRTX 2070 SUPERに分がある

2020年後期から、「マイニング」「コロナによるPCゲームの需要増加」「コロナによる半導体不足」という要因が重なってグラボの価格高騰が続いていました。

その価格高騰も2023年には適正価格に戻ってきているため、今がグラボの買い時といえます。ただし、今回紹介しているRTX 2070と同じ価格帯でSUPERが出回っているため、パーツの相性を考慮してもSUPERを買うことをおすすめします。

まとめ

本記事では、以下の4点について解説しました。

RTX 2070の性能と特徴
RTX 2070とRTX 3060の性能比較
有名タイトルにおけるRTX 2070の性能
RTX 2070の中古相場と購入方法

RTX 2070は、現在のGeForceグラボの基礎構成を築いたシリーズのひとつであり、今もなおPCゲーマーに愛されるモデルです。しかし、RTX 2070では今のPCゲームで高いFPS値を出すのは難しいといえます。

マイニングの禁止によりグラボの中古価格が下がっていることから、自作PCを組む場合はRTX 2070 SUPER以上のグラボ搭載がおすすめです。

とはいえ、RTX 2070の存在が現在のGeForceグラボの地位を揺るがないものにしたことは間違いありません。