皆さんが普段使っているスマートフォン。
そのスマートフォンと切っても切り離せない物が、USBケーブルです。
スマートフォン以外にもイヤホンやその他USB機器の充電をしたり、ノートPCなどとデータのやり取りをしたりなど、さまざまな機器を使う現代生活には欠かせない物です。
特に、充電に使うケーブルの需要はワイヤレス充電が広まりつつある現在でも、未だに多くあります。
そんなケーブル、およびケーブルを挿し込むためのポート(充電口)に異物が入ると、火災などの事故につながる危険性があるのはご存知でしょうか。
本コラムでは、ケーブルやポートを汚れたまま使うことによる危険性などを解説いたします。
充電できない!その原因、実は異物かも?
スマートフォンなどを充電するためにケーブルをポートに挿したけど「充電が遅い!」「そもそも充電ができない!」と困った経験がある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような場合に機器を充電できない主な理由は、以下が挙げられます。
- ケーブルが断線している、接触不良
- コネクタ(ケーブルの先端)やポートにホコリなどの異物が付着している
- マルチケーブル(2 in 1や3 in 1ケーブルなど)で、変換アダプタだけを挿している
- Lightningケーブルの場合、MFi非認証品を使っている
- 機器が発熱している
- 機器に搭載されているバッテリーが劣化している
- 機器がフリーズしてしまっている
- 機器が故障している
多くの場合は、ケーブルや充電器を交換したり、少し時間を空けてから再び充電をしてみたりすると解決します。
また、断線しているケーブルを使用していたり、故障した機器を充電し続けたりすると、最悪の場合事故につながる可能性があります。
一方で、この中で普段から意識しにくいのが「ポートにホコリなどの異物が付着している」です。
実は異物、汚れも断線や故障と同じように注意しなければならない点です。
今回はこのポイントを中心にご説明いたします。

異物が付着するとどうなる?
それでは、実際にコネクタやポートに異物が付着するとどのようになるのでしょうか。
ここでいう主な異物は、ホコリや髪の毛などの固形物や、ジュースや雨などの水分が挙げられます。
異物が付くと機器の充電ができなかったり、『ショート(短絡)』が発生してしまったりする可能性があります。
ショートは、機器の故障や発煙のほか、火災などの事故を引き起こす危険な現象です。
コンセントやプラグが発火する『トラッキング現象』という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
ショートも同じような現象なので、発生してしまうと大きな事故につながる危険性があります。
普段からコネクタやポートをきれいな状態で保つように心掛けることは手間に感じられると思います。
ですが、意識せずに普段使いしているところだからこそ、重大な事故につながるリスクがあることをしっかりと理解しましょう。

コネクタの異物を取り除くには?
ケーブルのコネクタに異物が付着している場合は、メガネ拭きなどの乾いた柔らかい布で拭き取ることをおすすめします。
拭き取る際の注意点として、コネクタを強く持つと折れ曲がってしまう可能性があるため、優しく拭き上げるようにしましょう。
また、サビなどで腐食している場合や水分などが付着した場合は、拭き取っても端子内にショートの原因となる成分が残っている可能性があるので、ご使用を中止してください。
ポートから異物を取り出すには?
もしも異物がポート内部に入っている、または入ってしまった場合は、まずは機器の取扱説明書を確認しましょう。
製品によってはポート内部に異物が入ってしまった場合の対処法が記載されているため、その内容に沿って異物を取り除くことが推奨されます。
一例として、iPhoneでは異物が付着した場合や液体にさらされた(濡れた)場合の清掃方法が、Apple公式サイトで公開されています。
土や砂、インク、化粧品、石鹸、洗剤、酸や酸性の食品、ローションなど、
汚れや損傷の原因となる物質にiPhoneが触れたときは、ただちにiPhoneを清掃してください。
▼清掃するには:
- すべてのケーブルを取り外してから、以下のいずれかの操作を行ってiPhoneの電源を切ります:
- Face IDを搭載したiPhoneの場合: サイドボタンといずれかの音量ボタンを、スライダが表示されるまで同時に押さえたままにしてから、上部のスライダをドラッグします。
- ホームボタンのあるiPhoneの場合: サイドボタンを押さえたままにしてから、スライダをドラッグします。
- すべてのモデル: 「設定」 >「一般」>「システム終了」と選択してから、スライダをドラッグします。
- レンズ用クロスなど、柔らかくけば立たない布を少し湿らせて使用してください。
- 開口部に液体が入らないように注意してください。
- 清掃用品やエアダスターは使用しないでください。
iPhoneには、指紋が目立ちにくい疎油性(はつ油)コーティングが施されています。
このコーティングは普通に使用していても次第に摩耗していきます。
清掃用品や研磨剤を使用すると、コーティングの劣化を早め、iPhoneに細かい傷が付くおそれがあります。
(中略)
iPhoneが液体にさらされた場合は、すべてのケーブルを取り外してください。
また、完全に乾くまでデバイスを充電しないでください。
iPhoneが濡れているときにアクセサリを使用したり、iPhoneを充電したりすると、本体が損傷するおそれがあります。
充電したりLightningまたはUSB-Cアクセサリを接続したりする前に、5時間以上間をあけてください。
iPhoneを乾かすには、LightningまたはUSB-Cコネクタを下に向けた状態で、手の上でiPhoneを軽くたたき、余分な液体を取り除きます。
デバイスを風通しのよい乾燥した場所に置きます。
デバイスのLightningまたはUSB-Cコネクタの中にファンの冷気を直接当てると早く乾かすことができます。
外部熱源を使ってiPhoneを乾かしたり、LightningまたはUSB-Cコネクタに綿棒や紙タオルなどの異物を入れたりしないでください。
(*引用元:Apple - iPhoneの取り扱いに関する重要な情報 より一部引用)
ちなみに、現在はサードパーティー製のクリーニングキットも販売されています。
クリーニングキットの中身はメーカーによって異なりますが、必要な物がまとめて販売されているので、そのような製品を使うのも一つの手段です。
ポートの大敵!異物を防ぐには?
比較的、ケーブルの異物は拭き取ることできれいになることが多いのですが、ポートの異物は機器の故障を招く可能性があるため要注意です。
そこで、ポートに異物が入ることを防ぐにはどのようにすれば良いのでしょうか。
最も簡単なのは、ポートにカバーを装着することです。
また、ポートに抜き挿しするケーブルのコネクタに異常がないか、都度チェックすることも大切です。
「でもポートにカバーを付けると、充電するときに失くしそう…」
「充電するとき、いちいち外すのは面倒くさい!」
とお思いの方におすすめなのが、異物が入るのを防ぎながら使えるマグネットアダプタです。
ポートのカバーとしても使える「マグネットアダプタ」とは?
それでは「マグネットアダプタ」とは、そもそもどのような製品なのかをご説明いたします。
「マグネットアダプタ」はその名の通り、”マグネット”で接続が簡単にできる”アダプタ”のことです。
ポートに挿し込むコネクタ部分と、ケーブルに装着するアダプタ部分がマグネットで脱着できるようになっています。
この2つをそれぞれお手持ちの機器とケーブルに装着することで、ケーブルの抜き挿しがマグネットの付け外しでできるようになります。
つまり、マグネットアダプタはポートのカバーの役割を果たしながら、そのまま充電ができてしまう優れモノなのです。
マグネットアダプタのメリットとして、
- ケーブルを抜き挿しする時に、パッとくっつく
- ポートに異物が入りにくい(コネクタにも汚れが付きにくい)
- ポートやケーブルの負担が軽減される
という点があるため、異物対策以外にも便利な製品です。
一方、マグネットを使った製品なので、ICカード・磁気カードなどを近づけると、カードの記録が消える、または使用できなくなる可能性があります。
また、地面へ落としたりすると砂に含まれる砂鉄がアダプタにくっついて、使えなくなってしまいます。
このような砂鉄はテープなどで取り除いても、目に見えない小さな粒が残ってしまうため、一度落としてしまった場合は使用は避けてください。
また、製品ごとの詳細や安全情報については必ず取扱説明書をご確認ください。

おわりに
- コネクタやポートに付いた異物の危険性
- コネクタやポートに付いた異物を取り除くには?
- ポートに異物が入るのを防ぐには?
について解説いたしました。
以下、本コラムのまとめです。
- 充電できない原因の1つは「コネクタやポートに付着した異物」
- コネクタやポートに付着した異物は、最悪ショートを引き起こす危険性がある
- コネクタに付いた異物を取り除くには、柔らかい布で拭き取るのがおすすめ
- ポート内の異物を取り除く前に、まず取扱説明書を読む
- ポートへ異物が入るのを防ぐにはカバーがおすすめ
- マグネットアダプタはカバーの代わりとしても使える
普段、充電などができないと故障を疑ってしまいがちですが、ケーブルやポート内部の汚れも原因の1つかもしれません。
マグネットアダプタのような製品を活用しながら、異物対策をしっかりとおこなっていきましょう。