クラウドファンディングのトップページ
まずはじめに私は、
「夢に共感してもらって先にお金を支援してもらう」というサービスを提供しているのがクラウドファンディングだと思っています。
クラウドファンディングを行うことでのメリットは
・興味関心が強いアーリーアダプター層にリーチできて交流ができる点
・リスク度の高い商品を事前に需要の掘り起こしができる点
・資金を事前に調達できるのでマネーフローが非常に良い点
ということが挙げられます。
そのため、お金がなくてもアイディアがあれば個人でも挑戦できるし、技術力があっても売る力がない企業などにも良いサービスだと思います。
今回の小岩井 ことりさんと一緒に商品開発をする事で、様々な事を知り経験する事ができたので、もっと多くの方にクラウドファンディングに挑戦していただけたらと思います。
2019年4月にオーディオの商品企画担当を任されて、上司にオーディオブランドを垂直立ち上げするように命じられました。その時に私が実施したことは、単純に他社がやっているプロモーションを研究する。他社がやっていない商品を作るということでした。
この今回のプロジェクトを進める際、
1.広報目線で単純にブランド認知させたい
2.商品企画に携わる者として新しい物を世の中に出したい
3.リスクなく、比較的高価な商品でも販売できると証明したい
という想いがきっかけとなり、クラウドファンディングへの挑戦を決意しました。
青い海を意識して作ったイヤホン本体には中に白い貝殻が入っています。
私は、一緒にお仕事をする上で、オウルテックの事をよく知っていて、親和性の高い方が良いなと考えていました。それが小岩井ことりさんだったのです。
小岩井さんは声優や作詞家、作曲家として活動されています。オーディオマニア、アーティスト、声優などさまざまな面でジャストフィットしている方だと思いました。それに加え、オーディオの連載をモノ系雑誌でやっている点に非常に魅力的を感じたのです。
以前からオーディオのイベントでお会いして面識はあったのですが、ほとんど話をした事が無かったにも関わらず小岩井ことりさんに2019年6月頃はじめて打ち合せでお会いしました。その時には、普通のコラボだったらやらないですとお断りされてしまったんです。しかし、2回目の打ち合せの際、「開発したい商品があるので、それを一緒に商品開発するなら」という話になったのです。その商品こそが2WAYで完全ワイヤレスイヤホンと有線イヤホンを切り替えられるという製品でした。
この話を伺った時、これは運命なのかとなにかご縁を感じたのです。なぜなら、偶然にも、私も同じアイディアの商品を考えていて、試作機を作っている真最中だったからです。こうして、小岩井さんと一緒にプロジェクトを進めることになりました。
大阪のイベントなどでも、小岩井さんから「オウルテックの製品はジェネリック医薬品のようだ」などと好意的に思って頂いていました。今思うと、小岩井さんが「オウルテックと一緒に何かする土壌はできてきたな」と感触をつかんだ時はあの時だったかもしれないです。
会社にこのプロジェクトの説明をしたら、みんなが口を揃えて売れないだろうと言っていました。理由としては、現に ”自社で販売しているType-Cイヤホンが売れていないから”ということがあったからです。
しかし、最終的には「社風的に挑戦するのは良い事なので」と上司が背中を押してくれてプロジェクトがスタートしました。その時の条件は、片手間でやって通常業務をおろそかにしない事ときつく言われましたね。
そもそも、私は自社の販売データがすべてではないと思っています。指標にはなりますが、違う結果で成功している企業や、ブランドの認知度などさまざまな要因でそのメーカーごとにそれぞれ売れ筋商品って存在していると思うんです。
プロトタイプの一部
プロジェクトがスタートし、最初に行ったことは、音質の調整でした。
音質のテーマは音楽ゲーム用。9つの音質の違うイヤホンを用意して、一番好みに近い音質を選んでもらいました。その後、3パターンの完全ワイヤレスイヤホンを作って、またさらに2種類の試作をつくり、それらを2019年12月のイベントにてユーザーの意見を聞く試作機としてイベントのステージで発表しました。
予想以上に、かなりの人が当社ブースに来て試聴機に並んでくれた時はとても嬉しかったですね。
実際にクラウドファンディングを開始したのが2020年2月19日だったので、プロジェクトを開始するおよそ2か月前からプロモーションをスタートさせていました。
2020年2月に開催された小岩井さん出演のネットイベントでは、更にクラウドファンディングの開始日を告知したり、Twitterを使って商品画像などをティザー広告のように見せ、クラウドファンディング開始までにその内容が十分に拡散されるように工夫したりと、小岩井さんのマーケティング力の高さには驚かされました。一緒にプロジェクトを実行するパートナーとしても最高の方だとあらためて感じました。
待ちに待ったプロジェクトの開始を生放送イベントにしてみんなで盛り上がりました。
その結果、およそ開始45分で1000万円を超えて、寝て起きたら2000万円になっていたんです。夢でも見ているんじゃないかと思いましたね。2日間経ったくらいで3000万円を超え……。当初は、開発費などのおよそ半分の300万円が集まったら需要があるだろうから商品化を決定、500万円超えたら小岩井さんの声をシステム音声にするなどストレッチゴールを決めていました。ですが、もう一瞬でその金額を超えていて、本当に驚きました。
しかし、その後のコロナ渦により、計画をしていた視聴イベントなどがすべてキャンセルになってしまったんです。
音質には自信があったので、試聴して購入を決めてもらえるように、またいろいろ試作機に対して意見を聞いてものづくりを進めようと思っていたのですが、試聴することはおろか、人と会うのも難しい状況になってしまいました。そこで、その分イヤホン会議と称してオンラインの生放送を数回実施する事にしたのです。
それはライブコマースという新しい商品の売り方を実践したような体験でした。小岩井さんがイヤホンの説明をして、視聴者の質問に答えたり、ユーザーの不満点を改善する提案を後日私がしたり、生放送で発表するなどしてユーザー参加型のものづくりとして非常に良い結果になったのではと思います。生放送を実施した日の売上は通常の日に比べて10倍くらいだったので、非常に費用対効果も高かったんです。
生放送の様子良かったら見てください。私も出演しています。
2020年の4月中旬にプロジェクトも終盤を迎えた頃、当時の応援金額がたしか5500万円くらいでした。
「充電ケーブルが断線したら……」という不安の声が多かったので、ストレッチゴールを設定して、応援金額が6000万円を超えたら充電専用ケーブル付属を決定しました。
7000万円を超えたらアプリ開発を約束して、ファームウェアでシステム音声の変更ができたり、イコライザーを搭載する約束をしました。
当時は、あと1500万円という金額に壁を感じていました。そもそも7000万円を超えること自体難しいことだと、私を含めた誰しもが思っていたと思います。
ところがあと5日でクラウドファンディングが終わるというタイミングで7000万円を超えたんです。
そこで、フリースターズ5名の声優の音声収録決定の告知を最後の生放送で行いました。そうしたら、残り5日間でおよそ1億円集まるという奇跡が起きたんです。
約1万人の方々が支援してくださって、本当に感謝しかないです。クラウドファンディング中に連絡をくれるなどこちらを気遣ってくださる方も大勢いて、こんな状況だからこそ生まれた絆のようなものを感じました。
2020年6月23日の状況は、イヤホン自体のハードウェアの開発はほぼ終わっており、アプリとイヤホンの連動などを確認してアプリ開発を行っている最中です。
コロナの影響で、遅延が至る所で発生しており、予定している納期でのお届けができない状態で大変申し訳なく思っております。一刻も早く届けられるように段取りをしているところです。
今はもう少しでKPro01の開発も終わるので、次の面白い商品企画を実行に移す計画を練っています。
これからも世の中に無いイヤホンをつくり、オーディオが好きな方々に喜んでもらえるものづくりを志して行きたいと考えています。
もし私を見かけたら声をかけてください。試聴機を試してもらって意見を伺いたいです。ずっとユーザー目線とユーザーに寄り添ってものづくりをするメーカーでありたいと心から想っているからこそご協力をお願い致します。
KPro01でオウルテックのイヤホンが少しでも認知度が上がって、当社の他のイヤホンも試聴してもらえたら嬉しいです。
今回のクラウドファンディングには小岩井ことりさんと一緒に商品開発をしましたが、振り返るとすごく幸運やご縁があったのかなと思います。
小岩井さんとのご縁ももちろんですが、素晴らしい仲間との出会い、品質の良い信頼できる工場やコロナ渦の中での試行錯誤などすべてがうまくいった結果だと思います。
これまでやってきた事が積み重なった結果なので継続してこれまでずっとやってきて良かったと心から思います。
このプロジェクトを通して様々な事を知り、経験することができたからこそ、もっと多くの方にクラウドファンディングに挑戦していただきたいと思います。
Makuakeでクラウドファンディングをやったことが無い企業や個人の方がいらっしゃったら連絡ください。精一杯アドバイスするので、一緒にクラウドファンディングをやりましょう!
最後に、私は今回のプロジェクトに携わったことで、いつかどこかで耳にした「世の中に無いモノを作るのが最高のマーケティングだ」という言葉は本当だなと今、改めて感じています。