オーディオの商品企画、そして広報の担当として──2足のわらじを履く苦悩と喜び

2020.06.04
市場の拡大にともない、Bluetoothイヤホンのラインナップを強化
▲ショールームのオーディオ商品

もともとオウルテックはパソコン周辺機器から事業をスタートした会社です。スマートフォンやタブレットなどの端末が人々の生活に浸透してからは、パソコンの電源ユニットを開発してきたノウハウを生かし、スマートフォン用の充電ケーブルや充電器などの販売で業績を伸ばしてきました。

充電ケーブルなどはコンビニエンスストアでも取り扱ってもらえるほどになり、おかげさまで多くの方に商品をご利用いただいております。今ではドライブレコーダー、アウトドア関連アイテムなど、多岐に渡った商品を開発し世の中に送り出しています。

ワイヤレスイヤホン製品に関していうと、iPhone 7でΦ3.5mmのイヤホンジャックが廃止されたことをきっかけに、スマートフォンで音楽を聴くライフスタイルが急激に浸透しました。調査機関のデータによると、現在ワイヤレスイヤホン市場は充電器よりも大きい市場になっています。

そのため、参入企業も多く、他分野のブランドや無名の中国メーカーなど、さまざまなオーディオ商品が競い合っているオーディオ戦国時代を迎えているのです。われわれオウルテックとしては、今まで培ってきたパソコン電源ユニットなどの品質へのノウハウを生かし、日本でしっかりと検証した品質の高い商品がユーザーに受け入れてもらえると信じて、オーディオ市場へ参入しております。

本当に良い価値のある商品を、リーズナブルな適正価格でユーザーに届けたい。

そんな想いから、Samu(サミュ)というシリーズ名で音にこだわった高音質イヤホンをつくっています。Samuというのは、ギリシャ神話の音楽の神「MUSA」と、フランス語の楽しむ・遊ぶ「S’amuse」が由来の造語です。多くの方に音楽を楽しんでもらいたいという意味を込めているのです。

オーディオの企画担当として広報として感じること

▲携わった商品を手に持つ安藤省吾 41歳

私は2019年から、オーディオ担当としてオウルテックの商品を世に広める任務に就きました。

オーディオ担当として頑張れと言われたときは、すごく嬉しかったです。自分の担当する製品を、広報としてメディアに売り込みに行くのも熱が入ります。

もともとオーディオや音楽は好きでした。でも、若いころはお金がなかった(今でもない)ので、全然良い機器は持っていなくて。当時はオーディオアンプを手づくりしたりもしましたね。

スピーカードライバーユニットを秋葉原のコイズミ無線で買ってきて、スピーカーボックスはホームセンターの木材でつくって、といった感じで。いらなくなったカーステレオをパソコン用の12V電源でつないで、アンプの代わりにしたこともあります。ありがたいことに友だちにかなりのマニアがいて、商品に対するオーディオファンの意見をいろいろ聞いていました。それは今も仕事に生かしています。

マニアとライトユーザーの間を取り持つ、どちらにも好かれる商品づくりが理想ですね。ニッチすぎてもダメ、一般向け過ぎてもダメ。でもニッチな商品の方がバズる可能性は高いんです。

担当になってからオーディオ商品を世の中に広めるために、オウルテックに足りないのは音質に対する品質の証明や根拠だと思いました。CMなどでも、○○受賞だとか3冠の味だとかいって、ビールの広告にアワードの受賞歴が使われています。

そのため、音元出版が主催するオーディオ・ビジュアルに関連する賞である「VGPアワード」にエントリーしました。数十名の審査員による厳正な審査を経て行われるということだったのですが、なんとか受賞できました。これでオーディオブランドとして、なんとか一人前というお墨つきがいただけたと思います。

今では自分の考えたアイデアが、商品に少なからず反映されます。自分が企画に携わって生まれてくる商品が可愛くて仕方がありません。自分が関わった商品が一番かわいいと思ってしまうのは、親バカかもしれませんが、会社の仲間みんなが親バカになって「うちの商品はすごい!」と思ってほしいですね。そのために広報として頑張ろうと思います。

オーディオプロダクトへのこだわりや想い

▲サミュシリーズ

商品企画では、メーカーの都合よりユーザーの目線が優先されるようにこだわっています。世の中のニーズに応えられるように、いろいろなライフスタイルに合わせた提案ができるように。「オウルテックのイヤホンはいろんな特長があっておもしろい」って思ってもらえたらいいなと思っています。

一般的なオーディオメーカーは当然ですが音に対するこだわりが強くて、「われわれの音はこれだ」って感じが多いと思います。ブランドとして統一感を出して売っていく上で必要なことかと思いますが、新参者としては他と同じことをやってもおもしろくないですよね。

あと時代に合わせた音づくりというか、結局使う人の好みによって合うかどうか決まるものなので、私はユーザー目線で臨機応変に対応していくのが良いのではと考えています。

品質が良いのは当たり前です。その上で、私たちはよりユーザーに寄り添って商品企画をしているのです。

オウルテックの社内にはICチップなどのソリューションビジネスや、モバイルバッテリーなど電気が通る製品の知識がある専門家、またメカ屋といわれる機構設計のスペシャリストもいるので、商品の物理的な品質を確保するように努めています。

音の好みはものすごく主観的で、「この音が良い」というのは一人ひとりで違います。インターネットの普及とともに多種多様な音楽ジャンルがあり、人のライフスタイルも多岐にわたっている、そんな時代に合わせてイヤホンをつくらなければいけないなと……。

そこで、テーマを決めて想定した人物像(ペルソナ)に合わせたイヤホンづくりをするようにしています。私の大好きなとあるビールメーカーがやっているマーケティングの手法を、スケールダウンした上でまねているんです。ごく当たり前のことですが、自分の中でペルソナをつくって、イヤホンを実際にターゲットのユーザーに聴いてもらい、その反応を元に商品化するか否かの舵取りをしています。

たとえば、ダンスミュージックやEDMなどのクラブ系の音楽が好きなペルソナであれば、低音と高音強めなイヤホン、ちょっと値段が高めの機種であれば、JAZZやロックも弦楽器がきれいに鳴って、音場感が感じられるような音にするなどペルソナに合わせて工夫しています。

今は多くの商品の中からいかにして差別化するかがテーマ

▲ショールームでパッケージの見栄えなどをチェックする安藤

私はものづくりは“料理”と一緒だと思っています。いかにしてお客様においしく食べてもらえる料理を提供できるか?その料理を食べたいというお客様をどのように増やすか?どのようにしてその料理のおいしさを広めるか?が大事なのかなと。

肉料理でたとえるなら、素材が良いブランド肉を使ってそのまま提供する、安いお肉を低温調理し、塩コショウをかけたり塩麹につけたりしておいしくして提供する……などの工夫です。こうしたものが差別化の第一歩だと思っています。

既存のものにアイデアを掛け合わせて、新しいプロダクトをつくるんです。

自社や他社の商品が売れている理由を見つけて、まずその商品に対する不満をチェックします。不満=改善点なので、そこをケアした商品をまず考えます。課題をどのようにしてクリアするのかなど考えるのが楽しいです。そのとき、ハードルが高いほど他社にまねされにくい良い商品になると思っています。

Samu-SE03を商品化するときは、すでに世の中にあった完全ワイヤレスイヤホンに対する不満として大きさや操作性がしにくいことなどがあったので、女性でも扱いやすいくらいに軽くて小さい完全ワイヤレスイヤホンを開発しました。その結果、クラウドファンディングでも女性の購入者が多く、イヤホン専門店のe☆イヤホンさんでも販売が決まりました。

イヤホンの選択肢に、オウルテック が入るようにしたいんです。

われわれのようにまだ認知度が高くないメーカーでも、選んでいただけるようなものづくりを続けていき、イヤホンを選ぶときの候補にオウルテックを入れてもらえることを目指します。

新しいことに積極的にチャレンジし、多くの方にオウルテックのファンになってもらいたいですね。

(引用元:PR Table Inc.)