オウルテックの新展開!夏のキャンプ場にも浜辺にも、“マイナス18℃の世界”を

2019.10.14

2019年8月、オウルテックはイタリアに本社があるIndelB社の冷凍冷蔵庫「ICECO」の代理販売をスタートさせます。日本での販売が実現したのは商品企画に携わる清水省吾の趣味、キャンプでの経験がきっかけでした。普段の生活でも気軽に“マイナス18℃世界”を持ち歩ける製品を、日本仕様にするまでのストーリーをご紹介します。

ずっと冷やせたらいいのに……キャンパーの悩みから生まれた企画

10年にわたり通電系の商品企画に携わっている清水省吾。数年前からキャンプにハマっており、年間で10回以上遠出をするほどのアウトドア好きです。

そんな清水をいつも悩ませていたのが、食品の保冷に関することでした。

清水 「1泊であれば保冷剤でカバーできるのですが、2泊目以降は保冷剤が溶けて使えなくなっちゃうんですよね。自然の中でのんびりしたいのに、市街地に氷や食材の買い出しに行かなければいけなくて、なんのために来たのかわからなくなってしまうということがありました。
そんな時に、ちょうどアウトドア好きな同僚とのブレストで、『溶けてしまった保冷剤をもう一度凍らせられる、すごく小型の冷凍冷蔵庫があったらいいよね』ということになったんです。当社が開発しているポータブル電源とつなげれば、長時間どこでも冷凍冷蔵庫を使用できて、保冷剤の問題に悩まされることもなくなりますから」

社内で企画を立案した清水。2018年4月、中国で開催される世界的な家電の展示会へ向かいました。その中で、目星をつけた数種類の冷凍冷蔵庫を中国から取り寄せます。

しかし、なかなか満足のいく製品には出会えません。その後もさまざまな冷凍冷蔵庫を見た結果、デザイン・価格・品質の優れたプロダクトに出会います。

それが小型の冷凍冷蔵庫「ICECO」(アイセコ)。品質を検証するべく、製造工場へ実際に足を運ぶことになりました。

高級車の製造ラインを参考にした、徹底した品質管理に感動

ICECOは、VOLVOやメルセデス・ベンツのオプションに採用されるほどの高品質なブランド。庫内を最大マイナス18℃まで冷やせるほか、セパレーターの脱着により、1台で冷凍・冷蔵どちらの役割も担うことができます。工場へ足を運んだ清水は、そのこだわりに驚きます。

そこでは白物家電の冷蔵庫を専門に製造する工場ならではのノウハウが盛り込まれていたのです。

清水 「量産に向けたベルトコンベアの動かし方ひとつとっても、他社が真似できないクオリティを持つ工場でした。たとえば温度センサーを搭載したサーモグラフィーでどの部分がちゃんと動いているかを確認したり、何分で冷凍温度になるかを実際に検証したデータも検出したりと、他社品と比べても性能が別格。
ダーッと一列に冷蔵庫が並び、24時間すべてパソコンで通電と温度管理をしている部屋を見たときには圧倒されましたね」

オウルテックとしても、クオリティの高さは一番に重視していたところでした。ブランドの品質は、日本国内にてオウルテックのエンジニアがきちんと検証したところ工場のスペックには噓偽りが無く、安心して販売できる品質を確認する事ができました。

商品に対する思いが伝わり無事に契約が成立。日本国内の代理店に。

清水 「通販サイトではもっと安く売られている商品もいろいろあるんですけど、製造方法や品質の面でオウルテックが大切にしている『高品質かつ高耐久』という基準を満たすものはなかなかないと感じていました。ですから ICECOが販売できるようになったときは嬉しかったですね」

しかし国内での販売実現は簡単なものではなく、さまざまな難関が清水を待ち受けていたのです。

実体験で得た想いを大切に。
食品を入れる冷凍冷蔵庫として安全性を追求する

契約が順調に進み、いざ販売をしようと思っていた矢先、清水は家電リサイクル法の対応に追われることになります。いわゆる“白物家電”に対する法律は厳しく、販売側は家電リサイクル法に則ったやり方で、お客様が廃棄する際に引き取るまでの手配を整える必要があったのです。

清水 「私たちはリサイクルを前提とした商品開発をしてこなかったため、この整備が大変でした。リサイクル家電を運ぶ業者も限られるので、問い合わせをして、全国のリサイクルプラントへ輸送が可能な業者と契約し、段取りを整えていきました」

さらに食品を保存するからこそ、安全面に配慮して素材を検討する必要がありました。使われている素材の品質にも心を配り、冷凍冷蔵庫のパーツを一つ一つチェックしていきました。

清水 「飲料水を冷やすだけであればそれほど神経質になる必要はないんですけど、やはりキャンプでの実体験から企画したものなので、安心して食品を保存できる商品にしたいんですよね」

今ではメディアでキャンプの特集が組まれたり、動画が配信されたりと、キャンプブームが起きています。そんな中で高品質の冷凍冷蔵庫は、キャンパーたちにより多くの快適さを届けることができるでしょう。

オウルテックが持つ確かな技術を駆使して、長く利用される商品をお客様のもとへ届けていきたいと考えています。

日常生活の便利さを取り入れた“気軽なアウトドアライフ”を提供したい

以前のキャンプはテントをイチから組み立て、火を起こしてご飯を炊き、焚き火をするという“プチサバイバル”を味わうことが醍醐味とされていました。

しかし今は、求められるものも少しずつ変わってきています。日常生活の便利さも持ち合わせた上で、キャンプをするスタイルに変化しているのです。快適なテント空間で水や電気も完備されている場所で楽しめるようになったことで、アウトドアに興味がなかった人たちにまで裾野が広がってきています。

清水 「シャワーや露天風呂もある高規格なキャンプ場が、1泊 1,000円で家庭で使っている機器が使える電源を貸し出しています。自然の中でのキャンプを体験しながらも、スマートフォンを充電できたり電気毛布を使用できたりするんです。
また、都市で自然を感じながら生活する『アーバンアウトドア』という言葉もでてきています。ですから当社の冷凍冷蔵庫を、そのスタイルの延長線上で提案していきたいですね」

そのほかにも、ホームパーティーの際、お客さんにお酒を提供するためのサブ冷蔵庫として使用したり、釣り好きな人にとっては魚を新鮮なうちに保存できたりと、キャンプ以外のシーンでも、ICECOは大いに活用できるでしょう。

通電系の製品を製造・販売しているアウトドアメーカーは、実はそれほど多くありません。今後はオウルテックのノウハウを生かして、通電系の製品に加えてテントやタープ、椅子など、いわゆる非通電のキャンプグッズを企画・販売していきたいと考えています。

清水 「今後テクノロジーの進化によって快適な生活が当たり前になればなるほど、家の生活を外に持っていって、“プチ不便生活”をしたいと思うことは増えるはずだと思っています。そんな時代の流れに合わせて、家の中でもオシャレに使えることをコンセプトに、さまざな商品を企画したいですね。
『通電系のアウトドア用品ならオウルテック』という評判を、定着させるためにも、高品質で、高耐久な商品を販売していきたいと思います」

アウトドアライフをもっと楽しんでいただきたい──自身の趣味も相まって、清水は製品のアイデアが尽きません。ICECOを皮切りに、新たな顧客とのつながりが生まれていくことを楽しみにしています。

これからも良質なモノを大切にする、オウルテックの新しい展開をご期待ください。